❶飼料 鶏は何をたべているの?

毎日鶏たちを観察していると、雌鶏は特に、よく食べます。い~つも食べ物を探しています。これは単に食いしん坊という訳ではなく、毎日のように(当園の場合は2,3日に一度程度)卵を産むので、必要に迫られてというところだと思います。そのため食事から充分な栄養が得られないと、母体の骨が細くなったり、毛並みが悪くなったりと、まさに身を削って卵を産むような状態となります。そう、強制労働!当園は鶏たちもハッピーでないならば、鶏を育てる意味はないと考えていますので、栄養バランスの取れた餌と自家製飼料のハイブリッドという形で食事を提供しています。

日清丸紅飼料の配合飼料をベースとして、自家製飼料は米ぬかとビール造りででる麦カスを混ぜて発酵したものをあげたり、市内の農家さん、漁師さん、飲食店さんにいただいた、新鮮な野菜や米、港の魚を鶏たちにあげています。毎日同じものも食べるけど、今日はヒラメのアラ、今日はカツオの頭、今日はオカラ!というような変化があった方が、鶏たちも楽しいのではないかと感じています。この他、鶏は自分たちで地面を掻きかきしていろんな虫をさがしたり、よもぎやはこべ、庭に生えている草を食べたりしています。ある程度自由にしてあげると、鶏は自分に必要なものを食べるので、そういった時間を設けてあげることも大事だと考えています。

 一般的に鶏の飼料にはとうもろこし、大豆などの穀類50%、米ヌカ20%、魚粉10%野菜や牡蠣殻20%を粉状にしたものが使われておりますが、実際飼育してみると鶏は肉も魚も虫も草もなんでも食べます。この鶏の雑食性といすみ市の立地すなわち海があり山があり海産物も農作物も豊富という環境は合致すると思っております。水産会社や農家さん、漁師さん、飲食店さんと協力しながらオールいすみのエッセンスを卵に詰め込み、多くの人にいすみの豊かさを知っていただけたら嬉しいなと思っております。

❷薬剤 鶏たちはどんな薬をのんでるの?

 家畜伝染病予防法によって管理者は「家畜の伝染病の発生の予防に関する知識の習得に努めること」とされています。則ち、養鶏場への病原体の侵入禁止、場内での伝播禁止、飼育環境の改善、鶏の体力強化などが求められています。鳥インフルエンザのニュースで大量の鶏が殺処分される悲しいニュースが毎年ながれますが、鶏の病気は事前の予防がメインで、いったん病気になってしまうと症状の出た鶏は取り除く(殺処分)、というのが残念ながら一般的のようです。

 当園は100羽未満の超小規模養鶏なので、具合の悪い子が出たらまずは隔離して温めます。そしてナデナデしながらミミズを探して与えます。この生餌は効果抜群で多くの鶏は2、3日するとケロッと治ったりします。そのような感じで当園は鶏が病気になったときは最後まで付き添うというのが基本方針ですが、では予防はどうしているか?といいますと、実は基本的にワクチンは接種しておりません。当園では雛を購入している種鶏場が「マレック生ワクチン」を雛に接種していて、その初生雛に施された1回が唯一のワクチン接種といえます。

 マレック病ウイルスはヘルペスウイルス科に属し、鶏の体内のT細胞を腫瘍化させたり、神経を侵すなどの症状が出る病気です(当園の認識では雛がびっこをひいて歩く病気で、これも隔離してミミズを食べれば治る鶏は治る)。こういった病気を予防するのがマレックワクチンの目的といえます。また、そもそものヘルペスウイルスは一度感染すると持続感染するという特性があり、ワクチン株においても一度感染した鶏は生涯持続します。そのためこのワクチンは生涯効果が持続し、追加投与の必要がありません。加えてワクチン効果は一代限りとなるので、その子供にあたる次世代にまで効果は及ばないとの事です(ワクチンを製造メーカーであるワクチノーバ株式会社カスタマーサポート部に教えて貰いました2023年12月7日メール)。現在農園では種鶏場から購入した雛もまだまだ現役で活躍しておりますが、その孫にあたる3世代目の雛も元気に生活しています。この点当園の2世代目、3世代目の鶏たちはワクチンフリーとなります。お客様の中にはワクチンを気になさる方も多いので詳しく記載いたしました。

❸ニワトリの種類

名古屋コーチン

採卵用だけでなく肉用にも利用されるので身体は大きく成長も早い。卵のサイズはやや小ぶりで殻は桜色。黄身は濃厚でなめらか。年間産卵個数は250個で約70%。立ち姿は縦長で美しいが声は低くブーブーと鳴く。金色に輝く毛並みが美しい。

アローカナ

当園のボスです鳴き声は高く長いです尾羽は長く立派で美しいケンカやメスが叫んでいると走って駆けつけ問題解決する頼もしいヤツですエサを見つけると自分は食べずにクルクル言ってメスに教えてあげる男前
身軽で木登り好き緑のたまごを産みます懐っこくおおらかな性格

岡崎おうはん

同じく卵肉兼用種なので早く大きくなるが、コーチンと比べるとずんぐりむっくり型で愛嬌がある。黒と白の縞模様の羽柄に真っ赤な鶏冠が美しい。卵の殻は赤褐色で黄身は一般の卵より5%ほど大きい。濃厚で甘味がある。産卵率は90%以上。

あずさ

純国産品種で病気にも強い

好奇心旺盛であちこち動き回る

よく遠出をしてご近所さんの庭を荒らしまわる

困ったもんだ

比較的小柄でオスにもモテる

ブラマ

アメリカ生まれの世界最大のニワトリ。性格は温厚でどったんどったん走る様がとてもかわいい。大人になるまで約1年と他の鶏の倍以上かかるのでペットして飼われる事が多いという。しかしながら卵の味は濃く甘いので大好きな品種。年間200個程度の産卵。

白色レグホーン

イタリア・トスカーナ生まれ世界で最も普及している品種。産卵率は90%以上。

性格はやや神経質で怖がりな所があるが食欲旺盛。身体能力も高く軽やかにジャンプして素早く走る。隙あらば倉庫に入り込みエサを失敬!

翡翠鶏

黒烏骨鶏とアローカナのハーフ。

軽快で活発少々用心深い。

オリーブ色のタマゴを産む

烏骨鶏
烏骨鶏は他の鶏より足が1本多く皮膚、舌、内臓に至るまでオールブラック!羽は白く絹のようなので英語名はシルキー。小柄なので卵も小さく週に1度ぐらいのペースで卵を産む。栄養価が高いので中韓では古くから薬膳として食される。性格は慎重でマイペース。母性本能が強いのか、抱卵する傾向がある。温めている卵をいつも横取りするので農園長は嫌われています。

ブランドミックス鶏たち
アローカナとコーチン、あずさ、白色レグホーンなどなど個性豊かな顔ぶれになりました